ラウンド 11 : 田中久也 vs. 折原潤
2 日目は意外な苦戦を強いられて、最も早く当確ランプが灯ったにもかかわらず結局最終局面までベスト 8 入りを争うことになってしまった田中(とどちゃま)久也。
青白の同キャラ対戦という事で、勝ちに行きづらい戦いではないかという印象があるが、両者ともそのデッキ特性はいわゆる通常の青白パーミッションとは一線を画した物。普通の青白の対決とは一味も二味も違う、激しい展開が予想される。
Game 1
青白同士の対決。
折原の先攻で始まった同キャラ対戦は、序盤は淡々とした土地並べが続くかと思いきや田中が 3 ターン目に変異《賛美されし天使/Exalted Angel》を召喚、返す刀で折原が《神の怒り/Wrath of God》と、激しい動き。
両プレイヤーとも青白とは思えないほど素早い展開で局面が進み、6 ターン目の田中の場には既に《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》と《賛美されし天使》が。
折原は 2 枚目の《雲上の座/Cloudpost》によって《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》の回収に関しては先んじたが、盤面は田中の押せ押せムード。
相変わらずノータイムの捌き合いは続き、折原はからくも《忘却石/Oblivion Stone》で田中のクリーチャーを一掃するが、田中は休む間も無く《隠れ石/Stalking Stones》をアクティベート。次の折原のエンドには《正義の命令/Decree of Justice》をサイクリングで打ち込むが、これは折原の唯一のカウンターである《もみ消し/Stifle》が突き刺さる。
サイクリングのドローだけしてターンを返す田中。折原の反撃は、2 枚ずつ並んだ《雲上の座》《邪神の寺院/Temple of the False God》で暴発したマナにバックアップされた《永遠のドラゴン》の召喚だった。
これに対して田中は《忘却石》を出してじっと反撃の機会をうかがう。
《忘却石》《永遠のドラゴン》と、マナ喰い虫を多数擁する青白にとって、《雲上の座》と《邪神の寺院》が同キャラ対戦で見せるパフォーマンスは圧倒的だ。
《対抗呪文/Counterspell》がスタンダードから姿を消し、青青を強要する主要スペルの減少が招いた世界。面白いではないか。
一方の田中は《忘却石》を構えたまま、変異で《賛美されし天使》を召喚。これは《忘却石》ごと折原の《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》に阻まれるが、田中は更なる《忘却石》を展開。
何も場に出ないターンが無いのではないかというぐらいの激しい呪文の応酬。
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を経由して、田中が引き込んだのは《トリスケリオン/Triskelion》。序盤から激しく攻め立てた田中は、折原のライフを 2 まで削っていた。
アグレッシヴチャージ!
カウンター出来なかった折原は、有り余るマナを抱えながらロケットパンチを顔面に受けて KO!
とどちゃま、まずは先勝でベスト 8 をぐぐっと引き寄せた。
田中 1-0
Game 2
再び折原の先攻で始まったゲームは、田中が《加工/Fabricate》で《真面目な身代わり》をサーチしてスタート。やはりじっとしていない。いや、する意味が無い。
盤上コントロールを主眼に据えた両者のデッキは、お互いが傾向を読み合った上で非常にアグレッシヴな応酬が続いている。お互いにカウンターはあるか無いかギリギリだろうという読みの中では、当然先手必勝。手札が整う前に仕掛けるのが得策だ。
その田中の《真面目な身代わり》に対しては《神の怒り》で捌いて見せた折原だったが、そのまま田中はエンドに《正義の命令》サイクリング X=3 でプレイ。
今度は《もみ消し》されず、自分の用事が片付いたらさっさと《波停機/Stabilizer》を場に送り込む田中。
たまらず折原は《忘却石》を展開し、田中の兵士トークンと《波停機》を除去しにかかるが、田中の場には未だ目覚めの時を待ち続けている《隠れ石》が、そして手札の中には 2 枚目の《正義の命令》が。
田中が取った戦法は、この折原の《忘却石》に対して《忘却石》を出す事。運命カウンターを残される事を嫌った折原はスタックして《忘却石》を起動するが、田中は《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》で《波停機》を回収。
そして気が付けば、田中の《忘却石》と《波停機》。そして《隠れ石》だけが戦場に残っていた。
2 枚の《知識の渇望》によってアドヴァンテージを得ていた田中は、ついに《隠れ石》をアクティベート。折原に襲い掛かるが、折原は《新たな信仰/Renewed Faith》をプレイして《隠れ石》2 発分のライフを取り戻す。
満を持して《神の怒り》を撃ち込んだ折原は、ひとまず《隠れ石》からの恐怖から解き放たれ、既に場に 3 枚ある《雲上の座》のバックアップの下、わずか 4 枚の土地から《永遠のドラゴン》を召喚。
しかし、潤沢な手札の中に解決策を見出した田中は《加工》をプレイ。《映し身人形/Duplicant》を取り出し、即座に折原の《永遠のドラゴン》を刻印。
あ、リムーヴだ。
《巻き直し/Rewind》の連発で折原の《アクローマの復讐》による抵抗を掻い潜ったかに見えた田中だったが、これは再び折原の《アクローマの復讐》連打が通って場が綺麗にリセットされた。
しかし、田中は更に先を見つめていた。
田中「《骸骨の破片/Skeleton Shard》」
折原「うげえぇー」
《真面目な身代わり》《永遠のドラゴン》と連続召喚して、折原を倒すまであと 1 発まで迫った田中は、折原の《忘却石》を通した上で、起動を《もみ消し》!
しかし折原はまたしても《アクローマの復讐》をプレイし、強制リセットをまたしても敢行したのだ!
もう一発たりとも殴られるわけには行かない折原は、田中が呼び戻した《永遠のドラゴン》に対して今引いた《忘却石》をプレイ。
これでまたしてもリセットに成功した折原は、超反撃の X=15 サイクリングの《正義の命令》!14 点殴った後に《神の怒り》!
引けるだけのリセット呪文を引き続けている折原の辞書には、弾切れという文字は無いのか?
残った折原の 1 枚の手札。
もしも……
もしもその手札が《正義の命令》だったら……
折原「X=11 で」
そして、タイムアップ。
1-1
Final Result: Draw!!
WU Control - Tanaka Hisaya made by Yasooka Shota / Lord of Magic Championships 2003 | |
---|---|
Main Deck | Sideboard |
3 真面目な身代わり/Solemn Simulacrum 3 賛美されし天使/Exalted Angel 1 映し身人形/Duplicant 1 トリスケリオン/Triskelion 1 永遠のドラゴン/Eternal Dragon |
4 赤の防御円/Circle of Protection: Red 4 因果応報/Karma 1 波停機/Stabilizer 1 精神隷属器/Mindslaver 2 もみ消し/Stifle 1 巻き直し/Rewind 2 聖なる場/Sacred Ground |
Counterpost - Orihara Jun / Lord of Magic Championships 2003 | |
---|---|
Main Deck | Sideboard |
4 永遠のドラゴン/Eternal Dragon |
4 急報/Raise the Alarm 3 赤の防御円/Circle of Protection: Red 3 聖なる場/Sacred Ground 2 精神隷属器/Mindslaver 1 因果応報/Karma 1 象牙の仮面/Ivory Mask 1 もみ消し/Stifle |